|
“正統派の美”が魅力の山口さんの打掛。唐織りならではの重厚な質感と、伝統を踏まえた優美な意匠がひときわ目を引きます。「奇をてらうと飽きられるから」と、流行は追わず、あくまでも花嫁の可憐さ、上品さを引き出す図柄と色づかいに心を配ります。仲の良さを表す雌雄のオシドリや長寿を願う菊の花、波が静まると鳳凰が舞い降りるという青海波など、山口さんが創り出す打掛の図柄はお祝いの席にふさわしいものばかり。柄にまつわる逸話を知ると「和装の楽しさや装う喜びが格段に広がる」とか。 「花嫁衣裳は育てていただいた感謝の気持ちを装うもの。それだけに、親子の絆が深まるストーリーをどこかに盛り込みたい」と、いつも山口さんは考えています。「たとえば、花嫁のお母様が育てられた草花で染めた色を、打掛に用いるなど。色ひとつ、柄ひとつに物語があるものづくりが夢」だとか。山口さんの斬新なアイデアと、花嫁に対する大きな愛情が、大切な日を輝かせる衣裳を生み出しているのでしょう。
|